「不動産広告の法規制が複雑で何をチェックすべきか分からない」「SNSや動画での物件紹介が意図せず法令違反になっていないか不安」と感じていませんか?

宅建業法・景品表示法・不動産公正競争規約と多岐にわたるルールですが、実務における点検は「禁止されている表示をしない」と「必要な表示事項を漏らさない」の2点に集約されます。

2024年10月の改正景品表示法では、措置命令を経ずに罰金を科す直罰規定が新設されました。「知らなかった」「悪気はなかった」では済まされず、企業名公表や罰金などの重大なリスクに直結します。

本記事では、不動産広告における禁止表示の3類型や必須の表示義務項目、SNS・動画投稿時の注意点、社内で違反を防ぐチェック体制の構築手順までを分かりやすく解説します。

なお、広告点検の時間を確保し違反を防ぐとともに、広告だけに依存しない新たな集客チャネルを築く手段として、「無人内見くん」(ショウタイム24株式会社)の活用ポイントも紹介します。24時間セルフ内見体制により営業の立ち会い負担を大幅に削減しながら、快適な見学体験で成約率の向上と競合との差別化を実現できます。

不動産広告で禁止されているのは?おとり広告・誇大広告・禁止用語の3つ

不動産広告を規制する法令は主に3層に分かれています。宅地建物取引業法は宅建業者の誇大広告の禁止や取引態様の明示等を規制し、景品表示法は一般消費者に対する不当な顧客誘引や虚偽・誇大表示を全産業横断で禁止しています。

さらに業界の自主ルールである「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」が、詳細な表示基準や使用用語を定めています。

実務で点検すべき禁止表示は、「おとり広告」「誇大広告・虚偽表示」「根拠のない禁止用語」の3類型に集約できます。条文を個別に追うのではなく、この3つの観点から広告原稿をチェックすることが確実です。

1. おとり広告(存在しない・取引できない・取引する意思がない物件)

おとり広告は、実在しない物件や取引できない物件を掲載して顧客を誘引する行為であり、業界で最も厳しく取り締まられている違反類型です。悪意を持った集客目的だけでなく、契約済み物件の掲載放置といった運用の遅れでも同様に処分されます。

おとり広告は、景品表示法の告示および表示規約第21条により、主に3つのパターンに分類されます。「実在しない物件の表示」「実在するが取引対象とならない物件(成約済み物件など)」「実在するが取引する意思がない物件」です。

(出典:消費者庁「不動産のおとり広告に関する表示」1980年)

実務で最も頻発するのは2つ目の「成約済み物件の掲載放置」です。すでに契約された物件をポータルサイトに残していると、悪意の有無にかかわらずおとり広告と判定されます。

首都圏不動産公正取引協議会の措置事例では、契約済みから16日間掲載を放置した事業者に対しても厳重警告などの処分が下されています。

(出典:公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会「2025年3月度の措置」2025年)

数週間の放置でも処分の対象となるため、成約情報の更新・削除は日次のルーティンとして運用する必要があります。

2. 誇大広告と虚偽表示(宅建業法32条)

物件のスペックや条件を実際よりも著しく良く見せる表示は、宅建業法および景品表示法の双方で厳格に禁止されています。

宅建業法32条が禁じる誇大広告は、物件の所在、規模、形質、利用制限、環境・交通利便、代金・賃料、資金調達のあっせん等の事項について、著しく事実に相違する表示や著しく優良・有利と誤認させる表示を行うことを指します。

判断基準は「著しく事実に相違する表示」または「実際より著しく優良・有利であると誤認させる表示」であるかどうかです。

リフォーム前の古い写真を使い続ける、別区画の間取りを流用する、接道状況や道路幅員を隠して利便性のみを強調する行為などが代表的な違反例です。

これらは宅建業法上の誇大広告であると同時に、景品表示法上の優良誤認・有利誤認にも該当します。

3. 根拠がないと使えない禁止用語

不動産広告では、客観的な根拠資料がない限り使用が認められない特定用語が細かく規定されています。他社や他物件より優れていると印象づける表現には特に注意が必要です。

特定の宣伝用語は、客観的・合理的な根拠資料を保有していない限り使用が禁止されています。また、最上級表現や著しく安い印象を与える表現も厳格に制限されます。

表示規約が定める禁止用語の分類は次のとおりです。

分類該当する語の例
最上級を意味する用語最高、最高級、極、特級
著しく安いという印象を与える用語買得、掘出、土地値、格安、投売り、破格、特安、激安、バーゲンセール、安値
全く欠けるところがないことを意味する用語完全、完ぺき、絶対、万全
競争事業者より優位に立つことを意味する用語日本一、日本初、業界一、超、当社だけ、他に類を見ない、抜群
一定の基準により選別されたことを意味する用語特選、厳選
著しく人気が高く、売行きがよいという印象を与える用語完売

表に挙げた語は例示であり、類似する表現もすべて規制の対象となります。リストに載っていない類似語であっても根拠がなければ使用できません。

(出典:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約」第18条第2項 2025年)

「広い」「明るい」「公園至近」「閑静な住宅街」などの主観的表現も同様です。「公園至近」なら道路距離と徒歩所要時間を明記し、「閑静」なら用途地域(第一種低層住居専用地域など)を付記して客観的に説明します。

客観的な数値や根拠で示せない表現は使わないことが原則です。

不動産広告に必ず書く項目は?表示義務と表示基準

禁止表示の排除に加え、法令で義務付けられた必須表示事項を漏れなく記載することが求められます。これは消費者の不利益を防ぐための大前提です。

点検項目は「取引態様の明示」「徒歩所要時間・距離の基準」「特定事項の明示」「広告開始時期の制限」の4点です。

取引態様の明示と必要な表示事項

取引態様(売主・貸主・代理・媒介)は、消費者が仲介手数料の要否等を判断する上で極めて重要です。広告の見やすい位置に必ず明記する必要があります。

特にSNSの投稿や店頭POPなどでは取引態様が抜けやすいため、原稿作成時の最初のチェック項目として固定しておきましょう。

物件種別ごとの必要表示事項は表示規約で細かく定められています。また、他社物件を広告する際は、元付業者の承諾を得ずに行うと表示規約違反となるため注意が必要です。

徒歩所要時間と距離の表示基準

駅や施設までの所要時間は、消費者の判断に直結するため厳密な算出基準が定められています。

徒歩所要時間は、道路距離80メートルにつき1分として計算し、端数は切り上げて表示します(直線距離ではありません)。

(出典:公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会「徒歩所要時間について」2025年)

例えば240mなら3分、250mなら切り上げて4分と表記します。信号待ちや坂道の勾配は算入しないルールです。

複数区画の分譲地では最も近い区画と最も遠い区画の両方の所要時間を記載し、マンション等では建物の出入口を起点として計測します(敷地入口ではありません)。

不利な条件がある物件の「特定事項の明示義務」

買い手や借り手にとって不利となる条件(市街化調整区域、傾斜地、高圧線下、道路後退など)は、隠さず明示する義務があります。物件のマイナス面を事前に開示することで、契約後のトラブルを防ぎます。

物件の条件明示すべき内容
建築条件付土地取引の対象が土地である旨、建築請負契約を締結すべき期限、期限内に契約が成立しない場合の措置(土地の売買契約を解除し、受領した金銭を名目のいかんを問わず全て遅滞なく返還する旨)
接道義務を満たさない土地「再建築不可」または「建築不可」と明示する
市街化調整区域内の土地「市街化調整区域。宅地の造成および建物の建築はできません」と明示する
セットバックを要する土地その旨と、セットバックを要する部分の面積(おおむね10%以上を要する場合は特に明示)
傾斜地を含む土地傾斜地を含む旨と、その割合または面積(おおむね30%以上を占める場合。30%未満でも、傾斜地を含むことで有効な利用が著しく阻害される場合は同様に明示)
路地状部分のみで道路に接する土地その旨と、路地状部分の面積・割合(おおむね30%以上を占める場合)
古家・廃屋等がある土地その旨を明示する

表記方法に規定がある場合もあります。例えば市街化調整区域である旨は、チラシ等で16ポイント以上の大きさで明示することが義務付けられています。

広告を出せる時期の制限

宅建業法33条により、工事完了前の物件は開発許可や建築確認を受けた後でなければ広告を開始できません。

これは原稿表現の是非以前の前提条件です。入稿前には必ず開発許可番号や建築確認番号、取得日を確認するフローを確立しましょう。

不動産広告のルール違反はどうなる?2024年10月の直罰化で変わった処分

広告ルールに違反した場合、行政による法的措置と、公正取引協議会による自主規制上の措置という2系統の処分が科されます。

特に2024年10月の法改正により、事前の行政指導や措置命令を挟まない「直罰規定」が新設され、リスクが大幅に高まりました。

景品表示法の直罰規定と確約手続

2024年10月施行の改正景品表示法により、不当表示に対する罰則が抜本的に強化されました。

改正景品表示法では、優良誤認・有利誤認に該当する不当表示を行った者に対し、百万円以下の罰金を科す直罰規定が導入されました。

(出典:e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」第48条(2024年10月1日施行))

措置命令を待たずに即座に罰則対象となり得るため、「指摘されたら直す」という対応は通用しません。

一方で、疑いのある行為について事業者が自ら是正計画を申し出て解決を図る「確約手続」も導入されています。

(出典:消費者庁「景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?」2024年)

違反を放置すれば厳罰に直結する一方、早期の自主是正の道も用意されており、社内で早期に不備を検知できる体制が重要になります。

不動産公正取引協議会による厳重警告と違約金

行政処分だけでなく、不動産公正取引協議会による自主規制措置も事業運営に重大な影響を及ぼします。

公正取引協議会による自主規制では、警告、厳重警告、違約金の課徴、事業者名の公表という段階的な措置が取られます。

違約金の支払いだけでなく、社名公表によって企業信用やポータルサイトの出稿資格に重大な影響が及ぶリスクがあります。

実際に措置命令を受けた事例

広告違反による処分は大企業であっても免れません。実際の行政処分事例を把握し、自社の運用を見直す契機としましょう。

大手ハウスメーカーグループを含む複数社が、注文住宅の請負表示に関して優良誤認と判断され、消費者庁から措置命令を受けた事例もあります。

(出典:消費者庁「飯田グループホールディングス株式会社ほか4社に対する景品表示法に基づく措置命令について」2024年)

企業の規模に関わらず、表示内容が実態と合致しているかを継続的に監視する体制が必要です。

また、最新の法改正や規約改定の情報を社内で共有する仕組みも整えておきましょう。

SNSや動画での物件紹介も広告になる?投稿前に確認すること

InstagramやTikTok、YouTubeなどのSNS動画による物件紹介も、すべて不動産広告としての規制を受けます。

SNS特有の投稿ルール、画像・動画の加工基準、ステルスマーケティング規制について確認します。

SNS投稿で漏れやすい必要表示事項

手軽に投稿できるSNSですが、広告としての必要表示事項を省略して違反となるケースが後を絶ちません。

首都圏不動産公正取引協議会の調査では、Instagram上の不動産広告436件中、必要表示事項をすべて満たしていた投稿はわずか4件(0.9%)にとどまりました。

(出典:公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会「SNSを利用した不動産広告の実態調査」2026年)

他社のSNS投稿を真似て作成すると、違反状態を引き継いでしまう危険があります。

調査で特に不表示が多かった項目を含め、以下の基本事項を確実に記載しましょう。

  • 取引態様(売主・仲介等)
  • 価格・賃料
  • 物件所在地
  • 専有面積・土地面積
  • 建物の構造・階数
  • 取引条件の有効期限
  • 広告主の商号・免許証番号

キャプション本文に基本項目を明記し、詳細はプロフィールや固定リンクから物件詳細ページへ誘導する動線を確保しましょう。

写真・動画の加工とハッシュタグの使い方

SNSで反響を高めるための画像加工やハッシュタグ設定にも、広告規制のルールがそのまま適用されます。

ハッシュタグも広告表示の一部とみなされるため、「#最高立地」「#激安物件」などの根拠のない最上級・格安表現は使用できません。

(出典:公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会「SNSを利用した不動産広告の実態調査」2026年)

また、過度な明るさ調整や超広角レンズによる歪み補正など、実態とかけ離れた印象を与える画像・動画の加工は誇大広告に該当します。自然な色味と画角での撮影を徹底しましょう。

広告であることを隠す発信(ステルスマーケティング)

第三者を装った口コミやインフルエンサーを活用した発信では、広告であることを隠す行為が法律で禁止されています。

広告であることを隠して口コミやおすすめを発信する行為は、景品表示法上のステマ規制違反となります。

(出典:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」2023年)

インフルエンサーへの依頼時は「PR」「広告」などの表記を義務付け、社員による個人アカウント投稿についても社内ガイドラインを策定して周知しましょう。

おとり広告を防ぐ社内チェック体制の作り方

広告違反の大半は知識不足ではなく、成約情報の伝達遅れや更新漏れといった運用上の不備から発生します。

個人の注意力に頼るのではなく、業務フローとチェック体制を標準化することが根本的な解決策です。

成約から掲載削除までの流れを決める

おとり広告を確実に防ぐには、成約情報が即座に広告担当へ伝達され、全媒体から削除される仕組みを整える必要があります。

契約成立と同時に広告担当へ成約通知が自動で届く業務フローを構築します。

自社サイト、ポータルサイト、SNS、チラシなど掲載媒体をすべて洗い出し、媒体ごとの削除担当者と処理期限を日単位で定めて記録しましょう。

チェックを担当者の記憶に依存させない

広告原稿の点検を属人化させず、チェックリストを用いて組織的に確認する体制を構築します。

出稿前および掲載中の点検項目をチェックリスト化し、記憶に頼らない確認体制を整えます。

出稿前の必須確認項目は次のとおりです。

  • 成約済み・満室物件でないか
  • 禁止用語や根拠のない表現が含まれていないか
  • 写真・図面と現況が一致しているか
  • 取引態様・免許番号が明記されているか
  • 徒歩分数の計算基準(80m=1分・切り上げ)を満たしているか
  • 特定事項(不利な条件)の明示が漏れていないか
  • 開発許可・建築確認の取得日を確認したか

禁止用語検出ツール等の活用や、週1回の定期棚卸しを組み合わせることで見落としを防ぎます。

確認の時間をどう捻出するか

チェック体制を機能させるには、現場の確認作業時間を確保することが前提となります。内見対応や日程調整に追われている現場では、確認作業が形骸化しやすいためです。

その意味で、ショウタイム24株式会社の「無人内見くん」は、広告管理の時間を捻出するだけでなく、従来の広告や営業マン依存の手法から脱却する新しい戦略的集客・成約チャネルとして極めて有効です。

Web予約とスマートロックを連動させた24時間セルフ内見体制により、営業の立ち会い工数を大幅に削減し、広告点検やコンプライアンス管理、重要顧客への追客に充てる時間を創出できます。同時に、営業時間外や休日の見学希望を逃さない体制が機会損失を防ぎ、営業に気兼ねなく顧客自身で自由にじっくり体験できる快適な内見体験が、顧客の納得感と成約率の向上を強力に後押しします。

他社にない自由で手軽な見学体験を提供できることは、競合に対する大きな差別化要因となります。特許取得済みの安心なシステム(オートロック解錠等)により、展示場・モデルハウス・分譲住宅・中古物件・賃貸まで幅広く対応し、1棟から手軽に導入可能です。広告規制が厳格化する今こそ、成約率を高める新たな受け皿としての導入が効果を発揮します。

不動産広告のルールで押さえるべきこと

不動産広告のコンプライアンスは、「禁止表示の排除」と「必須表示事項の網羅」の2軸を徹底することに尽きます。直罰規定が導入された現在、ルール遵守は企業存続に直結する経営課題です。

(出典:e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」第48条(2024年10月1日施行))

違反を防ぎながら集客効果と成約数を最大化するには、社内のチェック体制を整備するとともに、ショウタイム24株式会社の「無人内見くん」を活用して省人化と戦略的な集客体制を両立させることが重要です。24時間自由に見学できる快適な顧客体験が成約率を押し上げ、競合との大きな差別化につながります。法令を遵守した健全な情報発信と先進的な内見導線で、顧客からの信頼と成約を確実に積み上げていきましょう。