コロナ禍を経て、多くの業界で「無人」のサービスが急増しました。不動産業界も例外ではなく、「無人店舗」や「無人内見」という新しい営業スタイルが確立しています。特に「無人内見」については近年の顧客ニーズとマッチし、成約までの期間を約60%削減、成約率20%増加という成果を出した企業もあります。

今求められている「無人内見」とはどのようなサービスなのでしょうか。詳しく紹介します。

半数が「やりとりが面倒」と回答!?不動産内見の課題とは

株式会社FLIEが行った「現代の内見」に関する実態調査では、内見を予約するときの悩みとして約半数が「不動産会社とのやり取りが面倒」と回答しています。なぜ、内見者は不動産会社とのやり取りを面倒と感じてしまうのでしょうか。その理由を考えてみましょう。

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※株式会社FLIE「現代の内見」に関する実態調査を元に弊社で作成

営業をされる

不動産会社の営業トークに対して、押し付けがましい、信用できないといったイメージを持つ顧客もいます。実際、先ほどの内見に関する自体調査の中でも、内見を予約する時の悩み、実施するときの悩みの両方に「不動産会社から営業をされる」という回答が一定数あり、熱心な営業が内見のハードルを上げていることが分かります。

また近年はインターネットやスマートフォンで物件情報を簡単に収集できるようになったため、内見前に必要な情報を得ることができます。そのため、内見時には物件の確認のみを行い、営業担当者からの説明は不要と考える顧客も多いと考えられます。

自分のペースで内見できない

営業担当者が同行すると、どうしても気を遣ってしまい、自分のペースでじっくりと物件を見ることができないと感じる顧客もいます。特にコンセントの位置や収納の大きさなど、細かい部分まで確認したい顧客は、営業担当者がいるとしゃがみこんだりメジャーを出したりして確認しずらいというケースもあるでしょう。

何度も同じ物件を内見できない

営業担当者が同行する内見だと、同じ物件を何度も内見するのは気を遣うという声もあるようです。しかし時間帯ごとの日当たりや周辺環境の雰囲気などを確認したいという顧客は多く、内見に関する自体調査でも内見を実施するときの悩みとして「時間帯ごとの騒音が分からない」が56.5%で一位、「時間帯ごとの日当たりが分からない」という回答が44.6%で三位となっています。また寸法で測り忘れた所がある場合や、床材をもう一度確認したいなどちょっとした確認をするためだけに不動産会社へ連絡をし、営業担当者と日程を調整するのは手間に感じる顧客が多いでしょう。

気軽に何度でも見ることができる内見方法は、そういった何度か物件をみたいという顧客にとってニーズがあると考えられます。

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自由な内見を可能にする「無人内見」とは?

無人内見とは、賃貸物件や新築・中古の販売物件などで、顧客が不動産会社の担当者を介さずに物件を内見できるというものです。

具体的な利用方法としては、顧客が不動産会社のHPや不動産ポータルサイトから内見予約システムを使って希望する日時を登録し、内見予約を行います。 無人内見対象の物件にはスマートロックやスマートカメラが設置されているため、内見当日、顧客にはスマートロックの解錠情報が通知され、予約の時間になると内見を行うことができます。 不動産会社は、スマートカメラによって録画された映像で、顧客がどのように内見を行ったのかを知ることができます。また、無人内見を行うには、顧客は個人情報の登録などが必要なケースが多いため、万が一のリスクなどを極力低減させることが可能です。

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「オンライン内見」との違い

「無人内見」と同様、コロナ禍で導入が増えた内見方法として「オンライン内見」と「VR内見」があります。「オンライン内見」とは、現地に足を運ばずにパソコンやスマートフォンのビデオ通話機能を使ってオンラインで物件を内見できるというものです。内見希望者が不動産会社担当者と非対面で内見できることや、オンラインなので現地に行く手間や時間が掛からないといったメリットがあります。また「VR内見」はVR(バーチャルリアリティー)の技術を利用し、VRのゴーグルやグラスを装着すると、まるで自分がお部屋を実際に訪れたような感覚で物件の内見ができるというもので、こちらも現地に行かずに家や不動産会社の店舗等で内見が気軽にできるのが特徴です。

「オンライン内見」や「VR内見」は映像で物件を確認するのに対し、「無人内見」は直接物件を見ることができます。そのため、直接物件を見たいという顧客や物件の中だけではなく周辺環境や雰囲気なども自分の目で確認したい顧客には「無人内見」が向いています。

無人内見のメリット

無人内見の仕組みについて解説しましたが、導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。内見者、不動産会社それぞれのメリットを考えてみましょう。

内見者のメリット①営業をされる心配がない

先述したように、不動産会社に対して「営業されるのではないか」と不安を感じている顧客は多くいます。無人内見であれば営業担当者は不在で、一人もしくは家族だけで内見することができるため、安心して物件を確認することができます。

内見者のメリット②自分のペースで内見できる

営業担当者がいないため、顧客は自分のペースでゆっくり内見をすることができます。人それぞれ物件に対して重要視する部分は異なります。営業担当者がいると、気を遣って見ることができない自身が気になるポイントをじっくり確認して検討することができるでしょう。

内見者のメリット③好きなタイミングで何度でも内見ができる

仕事や家庭の事情で、不動産会社が営業している時間帯で内見の時間を作ることや、前もって日程調整をすることが難しい顧客もいます。内見に関する実態調査で内見を予約する時の悩みとして17.4%が「不動産会社の都合で朝や夜は予約できない」と回答しています。無人内見であれば不動産会社の営業スタッフが同行する必要がないため、営業時間外でも都合がつくタイミングで内見予約をし、内見することが可能になります。

不動産会社のメリット①人件コストの削減

従来の営業担当者が同行する内見だと、顧客から依頼があれば営業マンは必ず日程を調整して、現地へ赴く必要がありました。事務所から物件が遠いケースだと移動にも時間がかかりますし、物件の案内を合わせると1件の内見にかなり時間がかかってしまうこともあります。注文住宅や分譲住宅を扱っているA社では、物件が事務所から車で1時間の場所にあり、移動と現地での対応で約4時間ほどかかっているそうです。無人内見であればそういった内見業務にかかる時間を大幅に短縮することが可能です。またオープンハウスなどでは現場待機のスタッフが常駐することも多いですが、そういったスタッフの人件コストの削減にも繋がります。

不動産会社のメリット②内見数の増加が期待できる

不動産会社が営業している時間帯で内見が難しいため、内見を諦めてしまっている顧客も一定数存在します。実際、無人内見システムを導入したB社は店舗開店前の7時から夜は22時まで内見予約を可能にしたところ、内見者全体の36%が開店前もしくは閉店後に内見していることが明らかになりました。

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※2024年ショウタイム24株式会社調査

特に19時台の内見予約が多く、自身の仕事終わりに内見をしている顧客も多いと考えられます。このように、無人内見では通常の営業時間内では対応しきれなかった顧客の獲得を図ることができます。

また、担当者との内見では営業されるのではないかとという営業忌避のある顧客も、無人内見であれば気軽に予約ができるため、今まで内見に至っていなかった顧客層の獲得も期待できます。

不動産会社のメリット③セキュリティ面の強化

無人内見システムを導入することにより物件内のセキュリティを強化することも可能です。昨今、空室が犯罪に利用されていることも増えています。2017年には入居者や仲介会社になりすまし、管理会社からキーボックスの場所や開錠番号を聞き出して不正に購入した商品を賃貸住宅の空室で受け取るといった事件が多発しました(全国賃貸住宅新聞「賃貸空室の悪用対策で連携」 )。

無人内見システムを導入する際、スマートロックやスマートカメラの設置が必要になります。スマートロックは鍵をキーボックスに保管したりする必要がないため、不正利用や複製の防止になります。またスマートカメラを室内に設置することで24時間室内を監視することができ、空室の犯罪利用を未然に防ぐことにも繋がります。

無人内見のデメリット

無人内見システムを導入するメリットについて触れましたが、導入するときの注意点や懸念点もあります。無人内見システムを検討するときに確認するべき点について紹介します。

内見者のデメリット①その場で質問できない

通常の内見であれば営業担当者が同行しているため、その場で物件の詳しい説明を聞いたり、気になるところがあればすぐ質問することができます。しかし無人内見だと質問したいことがあっても、その場での解決は難しいでしょう。

内見者のデメリット②申込状況が分からない

一般的な内見ではその場で物件の申し込み状況が確認できるのに対し、無人内見の場合はどうしてもタイムラグが発生します。内見後に物件を気に入って来店の予約をしていてもその間に物件の申し込みが入ってしまう可能性があるというのも注意点です。購入したいと思った際はその場から電話するなど、すぐにアプローチをする必要があります。

不動産会社のデメリット①:物件の魅力をその場で伝えられない

営業担当者が同行していれば、現地で物件の特徴やアピールポイントを顧客に伝えることができます。しかし無人内見の場合、顧客だけで内見を行うため物件の特徴や魅力を自分の言葉で伝えられないのは不動産担当者にとっては歯がゆいかと感じるかもしれません。

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無人でも魅力は伝えられる!「無人内見」導入の3ステップ

無人内見システムのメリットとデメリットについて、紹介しました。では実際に無人内見システムを利用するとき、どのような手順で導入すればいいのでしょうか。紹介したデメリットへの対策も含め、解説します。

インターネット環境を整える

無人内見を実施するためには、スマートロックやスマートカメラの設置を行います。そのため、まずは物件内にインターネット環境を整える必要があります。無人内見システムを提供している企業の中には、Wi-Fiなどもレンタルできるところもあるため、物件内にインターネット環境がない場合、そういった提供サービスも比較検討する必要があるでしょう。

物件の中を充実させる

先述したように無人内見の場合、物件の特徴や魅力を営業担当者がその場で伝えることはできません。そのため物件内に内見者の目につくよう説明書きやポップを立てて特徴をアピールしたり、家具や小物を置いて簡易的なモデルルームを作るなどイメージが湧きやすくなるよう工夫する必要があります。内見者の動線を誘導するようなポップだったり、持ち帰りの資料を設置することで、内見者の滞在時間が長くなり内見に対する満足度も向上します。また「シャッターを開けて日当たりを確認してみてください」や「トイレは使用しないでください」など、内見者がどこまで物件内の設備を試していいのか記載しておくことも大切です。

集客・追客を行う

せっかく無人内見のできる環境を整えても、顧客が予約して内見してくれないと意味がありません。自社のHPやポータルサイト、SNS、チラシなどを用いて無人内見ができる物件があることをアピールしましょう。分譲地やモデルハウスの場合、現地看板に無人内見ができる旨を記載すると、他の物件を見に来た顧客や通りすがりの顧客から内見予約が入るかもしれません。

また、無人内見後の顧客へのアフターフォローも重要です。無人内見後はできるだけ早く、顧客へ連絡し、次の商談へ繋げましょう。すぐに営業担当者から連絡をすることで、顧客の物件に対する興味関心が高い状態のまま商談をすることができるため、成約に繋げやすくなります。

無人内見の始め方チェックリスト公開!

上記で紹介した無人内見導入時のチェックポイントをまとめたリストを作成しました。ぜひご活用ください。

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まとめ

無人内見は、顧客と不動産会社両方にメリットのあるサービスであることが分かりました。導入企業も増えており、ケイアイスター不動産株式会社は無人内見とチャットボット商談を用いた接客で、住宅展示場来店から成約に至るまでの期間が約60%減少し、成約率は20%増加させることに成功しています。今まで内見のハードルが高く、反響に繋がらなかった新しい顧客層の獲得だけでなく、社内の業務改善にも貢献する「無人内見」は今後も導入が増えていくでしょう。

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