近年、人口減少に伴う人手不足や、コロナ禍を経て変化した働き方、顧客ニーズの多様化により様々な分野で業務効率が課題となっています。不動産管理業務においては既に人手不足が深刻化しており、業務効率化は一刻も早く行うべき対策といえるでしょう。

ここではなぜ不動産管理の効率化が必要なのか、そして具体的に効率化を進めるためにはどうすればいいかを解説していきます。

不動産管理を効率化したい企業が抱えている3つの課題

まずは不動産業界で業務効率化が必要と言われる理由、現在抱えている課題について紹介します。

人手不足

近年、少子高齢化による労働人口の減少が問題となっており、様々な分野で人手不足が深刻化しています。 特に不動産業界は長時間労働や高ストレスといったイメージから、若い世代の不動産業界離れが進んでおり、人手不足に拍車をかけています。

厚生労働省が令和5年に発表している雇用動向調査でも、不動産業界の離職率は入職率を上回っています。

※厚生労働省-令和5年雇用動向調査結果の概況-を元に弊社で作成

首都圏の不動産管理会社B社では、2024年の求人応募が前年比30%減少し、物件管理スタッフが不足したことで1人あたりが担当する物件数が従来の15件から25件に増え、ヒューマンエラーが多発するといった事案もあるようです。

業務量の多さ

不動産業界には物件情報の収集や管理、顧客対応、契約書類の作成、物件案内など多岐にわたる業務が存在します。一人の顧客対応をするだけでも時間がかかりますが、スタッフが同時に複数の案件を抱えているというケースも珍しくありません。

さらに不動産市場は日々変化するため、市場動向や法律の改正などにも注意を払う必要があります。

これらの情報収集や書類対応だけでも大変ですが、顧客とのコミュニケーションも怠ることはできません。不動産の取引は高額での取引も多いため、信頼を得るため良好な関係づくりをすることは大切です。
しかし顧客ファーストで業務を行うと、顧客の動きによって突発的な業務が発生し業務負荷が高まってしまいます。

ある中堅不動産会社では、1人のスタッフが1日に平均5件の物件案内と3件の契約書作成を担当しており、内見の移動時間を含めると1日10時間以上、顧客対応や書類作成に追われているそうです。そんな中、市場の動向などにも目を向ける必要があり、残業が常態化しています。

このように不動産業界では、一人のスタッフが担う業務量が多いだけでなく、顧客対応など突発的な業務が多いため精神的なストレスも大きいと考えられます。

デジタル化への対応の遅れ

不動産業界は長らく、IT化が遅れているといわれています。多くの企業ではいまだに紙ベースの書類管理がメインとなっており、物件の入退去情報や入金管理、契約書類の管理も手作業ですべて行っているというところもあります。

紙での情報管理は作成に時間がかかるだけでなく、量が多くなると対象の情報を探すのにも時間がかかったり、紛失などのセキュリティ事故になりかねません。

まずはココから改善してみよう!具体的に業務効率できる業務は?

不動産業界が抱えている課題となぜ業務効率化が必要なのかについて触れましたが、いったいどこから業務改善していけばいいのか分からないという人も多いはずです。不動産業務の中で、業務効率化の手を付けやすい業務について考えてみましょう。

内見業務

内見業務は、不動産業務の中で成約を大きく左右する重要な業務の一つです。

内見というと顧客と一緒に物件まで赴き、実際の物件を確認してもらうのが一般的です。しかし物件が事務所から遠い場所にあると、移動だけで時間がかかり長時間労働の原因となってしまいます。

※厚生労働省「令和5年 就労条件総合調査 概況」より弊社で作成

そこで検討したいのが「オンライン内見」や「セルフ内見」です。

コロナ禍以降「VR内見」といった言葉をよく聞くようになりましたが、近年はIT技術を使って内見するスタイルが増えてきています。

リーシング・マネジメント・コンサルティング株式会社が賃貸の仲介業者へ行ったアンケートでは、オンライン内見を1割以上行っている仲介業者は50%以上おり、オンライン内見を希望される客層が多いことが分かります。

※「2024年 賃貸不動産マーケットのお客様動向調査」より弊社で作成

契約業務

宅建業法の改正によって規制が緩和され、2022年5月から、不動産業でも電子契約が可能になりました。

今まで契約業務は宅地建物取引士による重要事項説明や、署名捺印のため顧客に来店してもらう必要がありました。しかし遠方に住んでいたり多忙でなかなか時間が取れない顧客にとっては、わざわざ契約のために不動産へ行くことはかなり負担になります。

電子契約を導入すると、対面で契約書に署名・押印したりする必要はなくなり、オンライン上で不動産の契約を完了できるため、顧客満足度にも貢献すると考えられます。

さらに紙の契約書にかかる郵送費や印刷費、印紙税といったコスト削減が可能なこともメリットです。

物件・顧客管理

物件情報や顧客情報の管理は、不動産業務の中枢を担う重要な業務の一つです。急な問い合わせがあった際、スピーディーな顧客対応を行うためには、常に正確で最新の情報を管理する必要があります。

しかし動きの速い不動産市場を確認しつつ、電話やメール、来店等多種多様な顧客対応をすべて手作業でミスなく蓄積していくのは容易ではありません。また社内で管理方法などを徹底していないと業務の属人化が起こり、担当者不在の際誰も対応できないといったトラブルにもなりかねません。

そこで近年、不動産管理ツールを導入し物件や顧客情報を管理する企業が増えています。不動産管理ツールを使えば情報の登録方法や登録内容が統一され、情報共有も容易となります。

明日から始められる!業務効率化を進める具体的なステップ

不動産管理業務で、効率化しやすい業務について紹介しました。では具体的にどのように業務効率化をしていけばいいのか、システムを導入する際にどのように検討すればいいのか見ていきます。

フローチャートの作成

まず普段の業務で、特にどの業務が負担になっているか知ることが大切です。まずは今の業務内容をどんどん細分化して書き出していき、業務の流れを視覚的にまとめてみましょう。 例として、賃貸不動産管理業でのフローチャートの一部をあげてみます。

業務フローチャートを作ることで、自社にどのような業務が存在し、どのような流れで業務を進めているのかを明確化できます。フローチャートが完成したら、どの部分をどのように行えば最も効率よく業務が行うことができるかを熟考しましょう。

例えば「ポータルサイトに物件登録」という業務では複数のポータルサイトを契約している場合、すべてのサイトへ一から物件登録を行わなければなりません。
同じ物件内容を何度も登録することは時間もかかりますし、業務負担が大きいです。

一度物件登録することで複数のポータルサイトへ物件情報が連動されると効率よく物件登録を行うことができるでしょう。

業務の優先順位を明確化

作成したフローチャートを元に、コア業務(企業の価値創造に直接寄与する業務)と非コア業務を区別します。非コア業務は手順が決まっている単純な作業が多いので、ITシステムの導入や効率化に向いてるといえるでしょう。

ITシステムの導入

ここまで業務を落とし込むことができれば、自社で負担となっている業務が何か、どの業務が効率化できそうかを考えてみましょう。効率化することによりどのくらいコストが軽減されるか計算し、必要に応じてITシステムの導入を検討します。

導入しやすいITシステムについて紹介します。

不動産管理ツール

ツールによって搭載されている機能が異なるので、自社の業務フローを精査し検討したうえで、欲しい機能がもれなく入ったツールを選ぶ必要があります。具体的な機能としては、物件情報管理、契約情報管理、請求書・送金明細書・契約書・重要事項説明書の作成、入出金管理、問い合わせ管理、修繕管理など様々な機能があります。

《利用の多い不動産管理ツールの例》

  • いえらぶCLOUD|株式会社いえらぶGROUP
  • 賃貸名人|株式会社ダンゴネット
  • ESいい物件One|株式会社いい生活
  • i-SP/SP-Ⅱ|ビジュアルリサーチ

電子契約

前述したように電子契約を導入することにより、業務効率だけでなく顧客満足度や印紙税などコストの削減にも繋がるため、導入企業は増加傾向にあります。しかし電子契約の利用はしっかり法律を理解して導入、運用しなければなりません。特に売買契約についてはローンを組む際、銀行によって電子契約時に必要な情報が異なったりするので、取引のある銀行に前もって確認することが必要です。

《利用の多い電子契約ツールの例》

  • クラウドサイン|弁護士ドットコム株式会社
  • Docusign|ドキュサイン・ジャパン株式会社
  • 電子印鑑GMOサイン|GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

web会議ツール

コロナ禍を経て、リモート会議などが一気に広まりました。会議室にわざわざ出向いて会議する必要がなく、自宅で対応可能な業務ならいちいち出社しなくても済むため、従業員の負担軽減に役立ちます。

またweb会議ツールを使えば、顧客との商談や契約に欠かせないコミュニケーションについても遠隔で行うことが可能になります。
顧客の希望する物件の内見や、宅地建物取引士に義務づけられている契約時の重要事項の説明も、web会議ツールを利用してオンラインで実施することで商談の度に来店する必要がなくなります。

《利用の多いweb会議ツールの例》

  • Zoom|Zoom Video Communications, Inc 
  • Teams|Microsoft Corporation 
  • Google Meet|Google LLC

外部支援の利用

普段の業務だけで手一杯で、そもそも業務効率化を実現するための人材が確保できないといった場合もあるでしょう。そういったケースは、外部支援の利用も検討してみてください。

一口に外部支援といっても、物件情報の入力サービスや間取り図の作成サービス、マンションの管理代行サービス、インターネットを活用した営業サービスなど、さまざまなサービスがあります。
経理や給与計算など、利益に直結しないことが多いノンコア業務だけを専門業者に外部委託することも可能です。

ダウンロードして今すぐ使える!不動産管理効率化チェックリスト

不動産業の業務効率化を検討するとき、考えるべきポイントを「内見業務」「契約業務」「物件・顧客管理」のカテゴリ別にリスト化しました。 下記ボタンよりダウンロードし、不動産管理業務効率化にお役立てください!

まとめ

コロナ禍を経て、働き方や顧客のニーズは多様化しています。今後さらに加速する少子化の中、人材の確保と顧客に寄り添った接客のために業務の見直しと効率化は避けて通れないでしょう。今まで当たり前にしていた業務も、実はかなりの負担になっていたりするケースもあります。まずは今の業務で効率化できる作業を検討してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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